日常的な事柄を占うには適さないセカンダリー・プログレッション
セカンダリー・プログレッション(1日1年法)では、惑星の動きが遅いため、数ヶ月間、あるいは、数年間といった短期間では、惑星の位置がほとんど変化しません。特に、木星・土星・天王星・海王星・冥王星など、もともと動きの遅い惑星の場合、セカンダリー・プログレッションでは、出生図の位置から、ほとんど動かないことになります。
そのため、セカンダリー・プログレッションは、人生の大きな流れを占うのには適していますが、変化の多い日常的な事柄を占うには適していません。
ターシャリー・プログレッション
この動きの遅いセカンダリー・プログレッションと比較して、ターシャリー・プログレッションは、動きが速いため、変化の多い日常的な事柄を占うのに適しています。このプログレッション法では、1日の惑星の動きと、月が天空を1周する約27.321661日とを対応させています。すなわち、約13.368538日の間の惑星の動きを人生の1年に対応させているのです。
つまり、ターシャリー・プログレッションは、セカンダリー・プログレッションと比べて約13.37倍も速く惑星が動くことになるため、動きの少ないセカンダリー・プログレッションでは不可能だった、より日常的な事柄を占うことができるのです。
ところが、ターシャリー・プログレッションは、その実用性の高さにも関わらず、今のところ、これを紹介する書籍がほとんど存在していないため、その使用方法や効果についてあまり認知されていないのが実情です。
ターシャリー・プログレッションの使用方法
ターシャリー・プログレッションの使用方法は、より細かく変化する状況や日常的な事柄を占うのに適しているということ以外は、ほとんどセカンダリー・プログレッションと同じです。つまり、進行図と出生図との間にできる惑星・感受点のアスペクトを分析したり、進行図中の惑星・感受点同士のアスペクトを分析したりします。
それから、惑星のステーション(留)にも注意します。ステーション(留)とは、惑星が、順行から逆行に転じるとき、あるいは、逆行から順行に転じるときに、動きが止まるか、非常に遅くなる状態をさします。惑星は、動きが早くなるとき影響力が弱くなり、遅くなるとき影響力が強くなります。
ちなみに、マンデーン占星術(社会占星術)において、トランジットの惑星が、逆行から順行に転じるとき(あるいは順行から逆行に転じるとき)には、その惑星の象意に関連した出来事が起きやすい時期となりますが、これもステーション(留)の近辺で惑星の動きが遅くなって影響力を増すからです。
そして、これと同じ原理は、個人のターシャリー・プログレッションやセカンダリー・プログレッションにも当てはまります。進行図中の惑星がステーション(留)の状態にある場合、その惑星の力が大きく発揮され、人生での重大な変化が起きる傾向があります。特に、ステーション(留)の惑星が同時にアスペクトを形成するときには、そのアスペクトがとても重要なものとなります。
出生時刻の修正に便利なターシャリー・プログレッション
ターシャリー・プログレッションは、未来予測において、セカンダリー・プログレッション以上に細かくタイミングを計ることができ、出生時刻修正の際の微調整にもとても役に立ちます。
ターシャリー・プログレッション、および、他のプログレッションは、西洋占星術ソフト『ソーラーファイヤー』を使用して計算できます。また、この『ソーラーファイヤー』は、各種プログレッションにおけるステーション(留)の時期も簡単にリストアップすることができます。