Locational Astrology
ロケーショナル占星術
愛に出会える場所は? 豊かになれる場所は? 次の大地震の現場は?
ロケーショナル占星術のための専門ソフトウェア『ソーラーマップス』は、現在、その最新完全版(Ver.5)が『ソーラーファイヤーVer.9』のプログラムの中に組み込まれています。
この記事は『ソーラーマップス』の開発元Esoteric Technologies.Incの許可を得て『ソーラーマップス』のユーザーマニュアルの一部を抜粋して翻訳したものです。
ロケーショナル占星術とは
出生図や他のラディックス図、トランジット、プログレッション、惑星リターン、およびその他の予言技法を併用することにより、出来事の起きるタイミングを知ることができます。そして、ロケーショナル占星術によって「その出来事が起きそうな場所はどこか?」を知ることができます。
古代においては、マンデーン占星術(社会占星術)の中で、国の運命を決定するためにロケーションの技法が使用されてきました。
たとえば、キリストの生誕を示す「東の星」は、3人の賢者を導くアストロ・ローカリティー・マップの標識として使用されています。
とはいえ、パーソナルな占星術におけるロケーショナル占星術の技法については、最近になってようやく開発されはじめた段階です。現代における出生図の解釈の基礎は、ほとんどの人々が家の近くにとどまっていた古代に生じたものです。
しかし今日、出生地からはるかに離れた場所にまで多くの人々が旅行するようになりました。今では、海外休暇、仕事のための旅行、あるいは転居などはとてもありふれています。裕福な国の人々については特にそれがいえるでしょう。
その結果、占星家たちは、一時的であるか否かにかかわらず、出生地以外の場所に人々が移動するときに何が起きるのかを調べるようになりました。そして、新しい転居先に対応するように出生図を修正するべきか否かという疑問が持ち上がり、新しい別の理論が生まれました。
『ソーラーマップス』は、個人と社会の両方について占星家がロケーショナル占星術のあらゆる方法を試せるようにいろんなツールを提供しています。
チャートのリロケート
リロケーション図は、出生地以外の場所で計算したチャートです。このチャートは、出生時刻が同じままで、新しい場所の緯度と経度を使用して計算されます。
そのため、リロケーション図では、オリジナルの出生図と同じ位置に惑星がありながら、チャートのアングル(アセンダント、ディセンダント、MC、IC)が変化することにより、各惑星が在住するハウス位置も必然的に変化することになります。
リロケーション図は、通常、出生地から転居したとき、あるいは転居を考えているときに使用されます。これは、出生地に基づいて作成される出生図がもっとも重要なチャートであることに変わりはないものの、転居先の場所も人生に影響を与えるという考え方に基づいています。
たとえば、土星が10室に在住している出生図の場合、その人が若い人であれば、自分が選択した職業のことで葛藤が生じる傾向があります。けれども、土星が10室から外れて木星が10室にくる場所にその人が転居することにより、惑星のエネルギーがシフトし、職業において、より楽になり、より豊かになります。
ソーラーマップスでは、アトラスから市町村名を選択するか、マウスを使用して、マップ(地図)上の適当な場所をクリックするだけで、どんなチャートでもリロケート(移動)させることができます。
(例): “Mohnadas (Mahatma) Gandhi”モハンダス・(マハートマ)・ガンディは、インドに生まれました。19歳のとき、彼は、職業上のことについて学ぶ目的で外国へ留学することにより、インドの慣習を無視しました(出生図では、天王星が、9室に在住し、MCにコンジャンクション)。彼は、ロンドンの大学において、法律を学びながら、独学で哲学を学び、非暴力の原則および礼儀正しい不服従の方法を発見しました(木星と冥王星の、火星に対するオポジッションが、リロケーション図のMC/IC軸上にあります)。このことは、後に、インドにおけるイギリスの支配を終わらせるために彼が行った運動を成功に導くためのカギとしての役割をはたしました。
リロケーション図を描くことにより、地理的な場所の変化とともに、惑星が強調しているものがどのように変化するのかについて、詳細なイメージを得ることができます。調査したい場所や行きたい場所があるときは、その特定の場所について調べることが重要です。
けれども、特定の場所が思いつかないときは、自分の基準を満たす場所を探すために、何度も試行錯誤し、頭の中で計算しなければならないかもしれません。 特定の場所が思いつかないとき、あるいは、広い範囲の場所を調べたいときは、ソーラーマップスが提供している各種のアストロマッピング技法を使用してください。
その中には、おそらく、アストロ・ローカリティー・マッピング(天体地図作成)あるいはアストロ・カート・グラフィーに関連した技法、さらに、ローカル・スペース・マッピングとプリネータル・イクリプス・パス(プリネータルの食の通り道)を探すことも含まれるでしょう。
あなたの希望する占星術的条件を満たす場所に検索範囲を絞り込んだ後、他の方法を使用して、希望の場所に関するリロケーション図を作成することができます。
アストロ・ローカリティ・マッピングとアストロ・カート・グラフィー
アストロ・ローカリティ・マッピング(Astro Locality Mapping)は、チャート中の惑星が、どのアングル(アセンダント、ディセンダント、MC、IC)の近くにあるのかを示すためにラインを描くことを意味する一般用語です。
惑星がチャートのアングルに近ければ近いほどその影響力が増大することは、これまで多くの占星家たちから注目されてきた事実であり、ゴークランの研究によっても再確認されています。故ジム・ルイスは、もっとも強力な位置に天体がくるそのようなポイントをマップ(地図)上にすべて表示させるため、「マップ(地図)上にラインを描く」という考えを発展させました。
そして、彼は、「そのラインが接触あるいは近接する場所は、その個人の人生に影響を与える」という事実を発見しました。これには、そのラインが通過している場所への物理的移動に限らず、そのライン上にある場所と関連した活動にたずさわることも含まれます。
チャート中のアングルに対する天体の距離を計測する方法として、星座帯を使用するかそれとも“Mundo”(ムンドー)を使用するかについては、占星家の間で意見がわかれています。
星座帯による方法では、マップ(地図)上のラインは、ある天体が、アセンダント、MC、ディセンダント、あるいはICと同じ星座の同じ経度に位置することになる場所を示しています。
このタイプの測定は、“Astro Communications Services”(アストロ・コミュニケーションズ・サービス)のような、チャート作成サービスによって提供されています。この方法においては、通常の占星術チャートに示されているのと同じように、経度によって位置が計測されるという理由でこの方式を好む占星家がいます。
一方、 “Mundo”(ムンドー)による方法は、故ジム・ルイスが開発して広く知られるようになったアストロ・カート・グラフィー(AstroCartoGraphy)において使用されているものです。アストロ・カート・グラフィーのラインは、天体が、実際に横切る地平線や子午線の位置を示しています。これは、上昇(地平線を上向きに横切る)、カルミネーション(子午線の頂点を横切る)、下降(地平線を下向きに横切る)、およびアンチカルミネーション(子午線の底点を横切る)を意味しています。
太陽は、いつも正確に黄道にそって運動しています。その他の天体については、軌道が黄道を横切る2つの地点においては、星座帯方式によるラインとムンドー方式によるラインが正確にマップ(地図)上の同じ位置にきます。
しかし、黄道上の正確な位置に存在していない天体については、星座帯方式によるラインとムンドー方式によるラインは、それぞれマップ(地図)上の別の場所を通過することになります。
この違いは、通常は無視できる程度の小さなものですが、ときにはラインが大きく異なることもあります。たとえば、冥王星、小惑星パラス、およびほとんどの恒星は黄道から何度も離れた緯度に位置するときがあります。そのような場合、星座帯方式によるラインとムンドー方式によるラインが何百マイルも離れることがあり得ます。
この違いは、ほとんどの場合においては上昇と下降のラインにおいて見出されるものですが、ときにはカルミネーションやアンチカルミネーションのラインでも百マイル以上も離れることがあります。これは、黄道が、地平線や子午線のラインに正確に一致することがほとんどないからです。蟹座と山羊座の0度に子午線がくるときだけ、黄道は子午線に一致します。
ムンドーは、現代の一般的な占星家にはあまり知られていません。しかし、その方法は、ゴークランが研究に使用した方法であり、故ジム・ルイスと彼の仲間たちによって非常に効果的であることが発見された方法でもあります。
ソーラーマップスでは、“Lines”(ライン)ボタンを押して表示される“Select Lines”(ライン選択)画面の“Planet/Angle Lines”(惑星/アングル・ライン)のエリアで、“In Mundo”(ムンドー)と“Zodiacal”(星座帯)のオプションのうちいずれかを選択することにより、どちらのアストロ・ローカリティー・ラインも使用できます。
(例): イギリスの君主制からオーストラリアが離脱して共和制として独立することを受け入れさせたことによって有名になったオーストラリアの首相“Paul Keating”(ポール・キーティング)の例を見てみましょう。
ポール・キーティングのチャート(1944年1月18日12:05PM AEDT -11:00, Sydney, 33S55 151E10)を計算し、それをイギリスのマップ(下図)上に表示させると、キーティング氏は、MC上の冥王星がイギリスのロンドン近辺を通過するラインをもっていることがわかります。
そして、キーティング氏のリロケーション図を作成すると、チャートのMCに、とても近いところに冥王星が位置していることがわかります。この場所は、彼の公的人生、あるいは、職業人生における権力の問題を示しています。この惑星ラインは、『イギリス君主制の支配権に関する葛藤』というのがもっとも適切な解釈でしょう。
キーティング氏は、イギリスと接触するときにはいつでも仕事における強力な問題に直面しそうです。MC上のノース・ノードのラインは、ロンドンのすぐ近くを通っているというほどではありませんが、彼が、仕事上において、イギリスの民衆に影響を与えるような問題に対処しなければならないという感覚をつけ加えています。
(12:05PMというキーティング氏の出生時刻は、いくつか公開されているうちの1つに過ぎないことにご注意ください。けれども、この例は、この時刻が正しい可能性を示しているように思われます。)
ロンドンにおけるリロケーション図のMC近辺に冥王星が位置しているガンディも、自国に対するイギリスからの束縛を解き放つ方向で活動したことは、注目に値する興味深い事実です。
パラン・ライン
“paran”(パラン)は、ムンドーの技法に関連しています。これは、『ともに上昇する』を意味するギリシャの占星術用語“paranatellon”の短縮形です。
このタイプのアスペクトは、ムンドー・タイプの2つのラインが交差する地図上の場所に示されています。
このアスペクトは、ときには“paran on the angles”(アングル上のパラン)あるいは“angular paran”(アンギュラー・パラン)として知られています。
それは、地球上の特定の場所においてのみ影響を発揮するタイプの惑星アスペクトです。
たとえアングル上に2つのポイントが位置しない場所でも“paran”(パラン)は成立します。“paran”(パラン)としての唯一の条件は、2つの天体が同時にアンギュラーにくるように位置することです。これは、地球上の特定の緯度だけで起こり得ます。
“angular paran”(アンギュラー・パラン)は、2つの惑星ラインが交差する場所だけで影響を発揮します。一方、“paran”(パラン)は、2つの惑星ラインが交差する地点と同じ緯度にある場所であれば地球上のどこにあっても影響を及ぼします。
ソーラーマップスでは、2つの天体がパランの状態となる緯度のラインを描くことができます。それにより、これらの天体が一緒になって活性化して影響力を発揮する地球上の緯度を示すことが可能です。
たとえリロケート(移動)しても星座上のアスペクトを変化させることは不可能かもしれませんが、適切な緯度に移動することにより、あなたの中にもともと存在していない2つの天体間におけるパランの関係を活性化させることができるのです。
パランやムンドーについては、Robert Hand著の『Essays on Astrology』の7章と9章により詳しく記述されています。
トランジット、プログレッション、サイクロ・カート・グラフィー
マップ(地図)上には、通常の出生図における惑星ライン以外にも、出生図に対するトランジットやプログレッションの惑星ラインも表示させることができます。これらのチャートは、時間によって変化する動的なチャートです。そのため、惑星ラインが時間の経過とともに変化していく様子を観察することにより、この技法を未来予測のための道具として使用できます。
プログレッションやトランジットのラインを表示させる際、出生図の位置からどのくらい惑星が移動したかを見るためには、出生図のもともとのチャート・アングル(アセンダント、ディセンダント、MC、IC)を残しておく必要があります。
これは、出生図のアセンダントやMCに関連するハウスカスプを固定させた上で、その出生図の周りにプログレッション図やトランジット図を配置する“biwheel”(二重円)の概念に似ています。
例として、太陽のトランジットを考えてみましょう。これは、1日に約1度だけ移動します。そのため、太陽は、出生図における位置をもとにすると、約6ヵ月後に世界を半周し、約1年後に出生図の位置に戻ってくることになります。
ところが、セカンダリー・プログレッションの太陽は、1年にたった1度くらいしか移動しないため、その出生図の位置をもとにすると、30年後でもわずか30度しか移動しません。
ソーラーマップスでは、特定の日付における、トランジット、セカンダリー・プログレッション、ターシャリー・プログレッション、あるいはソーラーアーク・ディレクションなどのチャートを作成できます。
故ジム・ルイスによって開発され登録された方法である“Cyclo*Carto*Graphy”(サイクロ・カート・グラフィー)では、トランジットとセカンダリー・プログレッションの惑星を複合的に使用します。そこでは、特定の日付におけるトランジットの外惑星(木星、土星、天王星、海王星、冥王星)とプログレッションの内惑星(太陽、月、水星、金星、火星)を併用します。
最新版では“Cyclo*Carto*Graphy”(サイクロ・カート・グラフィー)の方法だけでなく、トランジット、セカンダリー・プログレッション、ターシャリー・プログレッション、あるいはソーラーアーク・ディレクションにおける全惑星のセットを別々に見ることもできるため、動きの速いトランジット惑星や動きの遅いプログレッション惑星も無視せず、さらに、サイクロ・カート・グラフィーと同じ情報も受け取ることが可能です。
(例): 1939年9月1日、ポーランドに侵攻時のアドルフ・ヒトラーのトランジット・マップを見てみましょう。ソーラーマップスでは、まずヒトラーの出生図(1889年4月20日、5:37:52PM UT+0:00, Braunau am Inn, 48N15 13E02)を開くか作成します。次に、“Chart”(チャート)メニューから“Subsidiary Chart…”(従属チャート)を選択し、表示される設定画面で、1939年9月1日の日付を入力して“Transits”(トランジット)オプションを選択することによってこれを実行できます。以下に、ヨーロッパ地域におけるトランジットの惑星/アングルのラインが示されています。
特に注目すべきは、トランジットの冥王星が、ヒトラーの母国であるドイツの上を越えて、彼の出生図のMCにコンジャンクトしていることです。これは、ドイツにおいて、当時、彼の権力が全盛を極めていたことを示しています。
また、トランジットの土星が、ポーランドの上を越えて、彼のディセンダントにコンジャンクトしていることは、その領域に対する彼の緊張した関係を示しています。
それから、月のノース・ノードが、ポーランドの上を越えて、彼のアセンダントにコンジャンクト(サウス・ノードは、彼のディセンダントとコンジャンクト)していることは、過去における問題の結果として、両国関係が終了する可能性を示しています。
さらに興味をそそる事実は、同じ日付における彼のターシャリー・プログレッションにおいて、彼のアセンダント上に位置しているプログレッションの天王星が、ポーランドの上を真っすぐに通過していることです。これは、突然で予期できない行動(この場合、突然の軍事的侵略)を示しています。
ローカル・スペース占星術
マイケル・エールワインによって開拓されたローカル・スペース占星術では、高度(Altitude)と方位角(Azimuth)によって惑星の位置を計測します。
ここでのより重要な計測は方位角です。なぜなら、それは、いろんな場所から出生図中の各惑星を見たときのコンパスの方角(北、北東、東など)を示しているからです。
通常の天体の経度/緯度、あるいは、赤経/赤緯の座標を使って計測すると、惑星の位置は、観察者の場所に関わらず、ほとんど一定を保っています。
ところが、地球上のどこで観察しているのかによって、惑星の方位角と高度は劇的に変化します。たとえば、地球上のある場所から北の地平線付近に見えていた惑星は、地球の反対側から観察すると、南の地平線付近に見えます。
惑星の方位角は、“Local Horizon”(ローカル・ホライズン)、あるいは、“Local Space”(ローカル・スペース)として知られるチャートの上に示されます。
出生の瞬間に出生地に立ち、地平線を見ながら、丸1周、回転していると想像してください。
そうすると、天に配置された各惑星について、想像上のラインを引くことができます。
これらのラインは、地平線の、惑星が見える方角へ向かって走っていて、特定の都市、地域、国を通過しているのを想像できるでしょう。これらが、ローカル・ホライズン図の上に出現するラインです。
もしスライド上にローカル・ホライズン図を印刷すれば、あなたの住んでいる地域のマップ(地図)の上に、それを重ねることができます(このとき、チャートの中心が、マップ上の実際の場所に正確に位置していて、チャートの北/南の軸が、地図の北/南の軸にそろっていることを確認しなければなりません)。
これによって、各惑星のローカル・スペース・ラインがどこへ行くのかを示すことができます。
ここでの原則は、もしあなたが、特定の惑星ラインに沿って進むと、その惑星の原型と関連する人々、物事、概念などに出くわす可能性があるということです。
これと同じ技法は、大きな領域のマップ(地図)上においても使用できますが、ほとんどのマップ(地図)に対する投影では、惑星ラインは、直線として広がるよりも、曲がってしまうことにご注意ください。
これは、地球は球体であり、マップは平面だからです。ソーラーマップスでは、マップ(地図)の上に、ローカル・スペース・ラインを描くときに、このことを考慮に入れています。
世界地図を見れば、これらのラインが、地球全体に広がり、最終的に、スタート地点まで戻ることがわかるでしょう。
マップ(地図)が球体として見えるように投影法を変更すれば、実際のラインは、地球上を回る大きな円であり、長方形図法やメルカトール図法で見えるようには、方角が変化しているのではないことが明らかになるでしょう。
(例): アーネスト・ヘミングウェイ(1899年7月21日、8:00AM CST +6:00、Oak Park、IL、41N54 87W43)について、検討してみましょう。彼は、その落ち着きの無さで有名なとおり、世界中を旅しました。
次に示されたローカル・スペース・ラインに反映されている彼の人生におけるいくつかの例は、次のようなものです。
ヨーロッパとパリに対する愛情(木星ラインがパリ近辺のヨーロッパを通過)、キューバの海岸沖の海中を巡回する仕事(冥王星ラインがキューバを通過)、ウガンダにおける2度の飛行機事故(非常に近いところを火星ラインが通過)。
この例では、ヘミングウェイの出生図の惑星ラインだけを見ていますが、リロケーション図を使用することもできます。たとえば、あなたが、生まれた場所からすでに移動している場合にこれを使用することは、とても理にかなったことです。
リロケーション・ローカル・ホライズン・マップを作成すると、リロケーション図における、惑星の方位角ラインが、そのチャートのリロケートした位置をすべて覆っていることに気づくでしょう。かなり大きく移動したときは、ラインは、完全に異なるパターンを形成し、世界の別の地域を通過することになります。
ジオデティック図
地球への星座帯の投影
セファリエルやジョンドロのようなマンデーン占星家は、地球の周りを巡る経度の帯に、星座帯の星座を象徴的に投影する、別のアストロ・ローカリティ・マッピング技法を開発しました。
セファリエルの測地法によると、牡羊座の0度の地点は、グリニッジ子午線(経度0度)に投影されていて、星座の境界は、赤道の周りの30度毎に当っています。
この投影法は、国家と都市のチャートを使用した、国家的な、あるいは、国際的な、政治や出来事をあつかうマンデーン占星術(社会占星術)のなかで、よく採用されています。
それは、アストロ・カート・グラフィー・マップのように地図を作成しますが、惑星の位置とそれに対応する惑星/アングルのラインは単なる象徴であり、地球の表面における実際の位置を示しているわけではありません。
一方、ソーラーマップスで作成できるジオデティック図は、個人の出生データに基づいています。
ソーラーマップスでは、“Zodiac”(星座帯)オプションを選択することにより、あらゆるチャートについて、星座帯のラインが引かれたこの方式のマップ(地図)を見ることができます。
マップ(地図)の上にこの星座帯ラインを引くには、“Lines”(ライン)ボタンを押して表示される“Select Lines”(ライン選択)ダイアローグボックスの“Celestial Lines”(天体ライン)エリアから、“Zodiacal Signs”(星座帯)を選択してください。
イクリプス・パス(食の通り道)
チャールズ・ジェインやアル・H・モリスンのような占星家は、出生前の最後に生じた日食の通り道が人生におよぼす影響に注目しました。マンデーン占星術の分野においても、世界的な出来事について研究するときには、イクリプス・パス(食の通り道)を使用します。
食(イクリプス)は、通常、毎年4回生じています。そのうち2回は、月が地球の影に覆い隠されるときに生じる月食です。他の2つは、月の影が地球の表面を横切るときに生じる日食です。
月食は、地球の夜側の場所では、どこからでも同時に観察されるため、マップ(地図)の上には描かれません。
ところが、日食は、地球上の特定の地域だけに、見える場所が限定されています。日食における月の影の通り道は、一般的に大変狭く、地球上を横切って移動する小さな帯を形成します。この通り道は、マップ(地図)上に描かれます。そして、それに沿った部分食のラインは、皆既食よりも大きさが減少します。
(例): 1999年8月11日、日食は、USAの東から始まり、アトランティック、ヨーロッパ、中東を通過し、インドを通過した後に終了しました。このとき、すべての主要な惑星の間で同時に固定星座における強力なグランドクロスが形成されていたため、占星家たちはこの食に関心を持ちました。
この食の影響は、完全食が直接通過する地域においてもっとも強く感じられることになります。皆既食の通り道ではないものの部分食の通り道になっている地域(北アフリカ、スカンジナヴィア、ロシア、中国のような)でもいくらかの影響は感じられますが、それは比較的小さくなります。
ロケーショナル占星術の参考書籍
ソーラーマップスでは、ロケーショナル占星術における前述のすべての技法を使用できます。それにより、世界中のいろんな場所に住む人々やいろんな場所で起きる出来事に対して、惑星エネルギーが関わる方法を探究することができます。
ここでは、ソーラーマップスを使用してできることについて、皆さんが雰囲気を味わい、自分自身でどのようなことが探求できるかを考えられるようにするため、少しだけ単純な例を使用しました。
この章では、ソーラーマップスを使用して行えるすべての技法を説明しているわけではありません。
ここでご説明したすべての技法に加え、他の膨大な技法に関する書籍がたくさん存在しています。これらの書籍については、占星術の専門書店で見つけることができるでしょう。
ロケーショナル占星術書籍
- The Astro*Carto*Graphy Book of Maps: The Astrology of Relocation by Jim Lewis and Ariel Guttman. Llewelllyn Publications, 1989.
- Essays on Astrology by Robert Hand. Witford Press, 1982. Chapters 7 and 9.
- Mundane Astrology by Michael Baigent, Nicholas Campion and Charles Harvey. Aquarian Press, 1984.
- Planets in Locality by Steve Cozzi. Llewellyn Publications, 1988.
- Planets on the Move by Maritha Pottenger and Zipporah Dobyns. ACS Publications, 1995.