南インド式ホロスコープ
インド占星術にはいくつかのホロスコープの方式がありますが、ほとんどのインド占星術師は、北インド方式か南インド方式のいずれかを使用しています。どちらの方式を使用してもかまいませんが、ここでは南インド方式をご紹介します。
南インド式のホロスコープは、星座の位置が固定されています。ホロスコープの左上の角に魚座が位置し、そこから時計回りの方向に、牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座の順で配置されています。
魚座 | 牡羊座 | 牡牛座 | 双子座 |
水瓶座 | 南インド式時計回り
|
蟹座 | |
---|---|---|---|
山羊座 | 獅子座 | ||
射手座 | 蠍座 | 天秤座 | 乙女座 |
シンプルで、よく機能するハウス
西洋占星術では、プラシーダス方式やコッホ方式など、1つのハウスが複数の星座にまたがり、各ハウスのサイズがまちまちになる、不均等なハウス方式が一般的です。
このような西洋占星術で使用されている不均等なハウス方式では、選択するハウス方式によって支配ハウスや在住星が大きく変わってしまうにもかかわらず、どのハウス方式を採用すべきかについて統一的な見解がありません。
一方、インド占星術の基本的なハウス方式は、1つの星座全体が1つのハウスになるイコールハウス(均等ハウス)方式です。
この『星座=ハウス』のイコールハウス方式は、シンプルでありながら有効に機能するという実用性の高さが特徴です。
イコールハウス方式は、各ハウスの幅が均一なので大雑把なのではないかという批判も一部にはありますが、それは誤解です。
インド占星術では、基本的な出生のホロスコープ(ラーシ・チャート)だけでなく、それを細かく分割した複数の分割図(ヴァルガ・チャート)を併用します。この分割図は、アセンダントの度数のわずかな違い(=出生時刻のわずかな違い)の影響を受ける繊細さをもつ、人生のあらゆる分野について詳細な分析が可能になる重要なホロスコープです。
アセンダントが水瓶座に位置する場合
インド占星術のイコールハウス方式では、アセンダントが入る星座の0度から30度まですべてが1室となります。その次の星座が2室、その次が3室、・・・、そして最後の星座が12室となります。
例えば、アセンダントが水瓶座に位置する場合、水瓶座が1室、魚座が2室、牡羊座が3室、・・・、最後の山羊座が12室となります。そして、たとえば、水瓶座に在住する惑星は、その在住度数にかかわらず、どの惑星も1室の在住星となります。同様に、魚座に在住する惑星はどの惑星もすべてえ2室の在住星となります。
南インド方式のホロスコープは星座の位置が固定されていますから、ホロスコープには星座名を記入しないのが普通です。また、ハウスについても、アセンダントが決まれば他のハウスも決まるので、通常はアセンダントの位置だけを記入して、それ以外のハウスの番号は記入しません。
魚座 2室 |
牡羊座 3室 |
牡牛座 4室 |
双子座 5室 |
水瓶座 1室 |
アセンダントが水瓶座に位置する場合
|
蟹座 6室 |
|
山羊座 12室 |
獅子座 7室 |
||
射手座 11室 |
蠍座 10室 |
天秤座 9室 |
乙女座 8室 |