ソーラーアーク・ディレクション
ディレクションは、出生図を基にして、すべての惑星を同じ割合で進める進行法です。その代表的なものがソーラーアーク・ディレクションです。これは、太陽が1日に動く度数を実際の1年に対応させ、すべての惑星を同じ割合で進めていく進行法です。
例えば、10才のときの状況を占うには、すべての惑星の度数に、太陽が10日間で進む度数を足して、それらの惑星を同じ割合で進行させます。そして、このようにして進めた進行図の惑星と出生図の惑星の間にできるアスペクトを分析します。ディレクションの場合、進行図中の惑星・感受点同士で作られるアスペクトは考慮しません。なぜなら、ディレクションでは惑星が平行移動するだけなので、出生図中のアスペクトとまったく変わりがないからです。
※ソーラーアーク・ディレクションの計算方法にはヴァリエーションがあります。なぜなら、太陽の速度は時期によって異なり、太陽が1日に動く距離も時期によって異なるためです。そのため、(1)太陽の年間の平均速度を使用する方法、(2)生まれた瞬間の太陽の速度を使用する方法、(3)セカンダリー・プログレッションと同じ太陽の速度を使用する方法の三つがあります。
1度1年法
1度1年法は、文字通り、1年につき1度の割合ですべての惑星を進行させるディレクションです。たとえば、10才のときの状況を占うには、各惑星を10度進めた進行図を使用します。1度1年法は、ソーラーアーク・ディレクションと比べて計算が楽なので、出生図だけあればアスペクトができる時期を暗算で計算できます。そのため、パソコンを使用できない環境では、とても便利な未来予測技法です。ただし、ソーラーアーク・ディレクションと比較すると、やや精度が落ちるかもしれません。
ディレクションについての注意点
ディレクションについての注意点は以下のとおりです。
- ディレクションでつくられるアスペクトは、「トライン(120度)は吉、スクエア(90度)・オポジッション(180度)は凶」のように、アスペクトの種類によって吉凶を判断してはいけない。
- アスペクトをつくる惑星・感受点の象意の組み合わせによって起きる事柄を予測する。
- 出生図に存在する特定の惑星・感受点間のアスペクトがディレクションで再現されるときは特に重要。この場合、アスペクトの種類は問わない。例えば、出生図において太陽と木星が90度のアスペクトを形成している場合、出生図の木星に対してディレクションで進めた太陽が120度のアスペクトをつくるときには、出生図で示されている太陽と木星のアスペクトの象意が現象化する。この場合、出生図に太陽と木星のアスペクトが存在していないときと比べて重要なアスペクトとなる。
- アスペクトのオーブ(許容度数)を広く取りすぎないこと。アスペクトによって示されている事柄は、オーブが最大でも1度以内、多くの場合は20分以内のときに現象化する。また、オーブがゼロのときに現象化していることが多い。